ブログ相談室

他院で行った多焦点眼内レンズ挿入術後に不満を持った患者さん

2020年12月30日

2020/12/31 13:57

お名前:●●●●
年齢:60代半ば男性
送付先ご住所:東京都江東区
メールアドレス:●●●●@wing.ocn.ne.jp
ご相談内容:10月24日に他院にて白内障のCarl Zeiss社製の3焦点レンズ手術を受けましたが、夜間の車の運転に不向きですと言われていました。レンズの決定の日、単焦点かなと思っていましたが再度、夜間の車の運転はダメですかねと問いかけた所、女性説明スタッフに3焦点を入れた人がいますから聞いてみますかといわれ、紹介を受けて説明を聞いてた所、彼女は車の運転はしないが助手席に乗った時でも意外と大丈夫、清水さんは白内障で夜間運転できていたのなら出来るかも知れません、タクシーの運転手の方もこれを入れた人がいますよといわれました。
単焦点だと車のメーターが見えない事もあると言われ手術に踏み切りました。手術後約60日経ちますが、何とか車の運転をしていますが、夕方位から朝の8時くらいまで、昼間歩いていても車のライトがまぶしくて、ストレスの塊となり食欲も有りません。また、コントラストもここまで違うと思いませんでした(茶色が紫に見える)そこで別のクリニックのホームページを見ると多焦点眼内レンズから単焦点眼内レンズに入れ替えた方がいると見ました。そこで私も入れ替えができないかと思うようになりました。

@まず,どこの医療機関で手術を受けたかご教示ください.そして,なぜその施設で「レンズ取り出し&単焦点眼内レンズ再挿入」をしてもらわないのですか?ご教示ください.
その上で,幸運なことに,当院で多焦点眼内レンズを挿入した患者さんで単焦点眼内レンズに入れ替えを希望しレンズ取り出しを施行した患者さんは今のところおりません.しかし学会レベルではそうなるケースがあることを存じています.
一方,当院では,他院で挿入したレンズを取り出すことは,ドクターからの依頼や患者さんの要望により時々行うことがあります.レンズを取り出し再挿入することは技術的には全く可能で,通常創を大きめに開け眼内でレンズを半切して取り出すところを,小さな切開創で特殊なホールダーと鑷子を使い半切せずにレンズを折り曲げて摘出しています.
ただし,当初の眼内レンズを挿入してから時間が経ってしまうと,眼内レンズを包んでいる水晶体嚢とレンズが癒着し取り出すことが困難になることがありますので,取り出すと決めたのであれば早めに取り出したほうが無難です.

現在の精神的状態
㈰朝起きてカーテンを開けてLED外灯の廻りのハローを見ると憂うつになる。
㈪朝、洗面所のLEDダウンライト照明をつけ、照明の色を見ると憂うつになる。
㈫朝うす暗い時間帯に犬の散歩に出たとき、廊下の照明・自転車置き場の照明・敷地内の外灯道端の外灯全てにハローがかかり憂うつになる。
㈬朝7時頃明るくなって犬の散歩に出たとき犬の服の茶色が紫に変わって見えるとき憂うつになる。
㈭テレビの色が白っぽくみえる時憂うつになる。
㈮黒いカバンが青紫色に、茶色が紫色に、道路の黒いアスファルトが青っぽく、テレビの画面の色あいが全て薄く見えて心臓の高鳴りを覚える。

夜の車の照明がある程度まぶしいのは覚悟していました。また良いところはすべての領域で眼鏡なしで見える所ですが、良い所は差し置いて悪い所が目立っているのが現状です。
術後の検査で視力は両目とも1.2 当初左目のチン小帯が少しもろく乱視なのでトーリックレンズが入っているようです。別の眼科さんに検査して貰ったら現在の3焦点レンズは少し大きめで6等分に切断して取り出しが必要で、リスクがありますと言われました。吉野眼科クリニックさんでは眼内レンズ交換が可能でしょうか。またリスクなくできますか教えて下さい

@まず,「別の眼科さん」とはどこの眼科でしたでしょうか?
「6等分に切断」ということはありません.上に記載した「小さな切開創で特殊なホールダーと鑷子を使い半切せずに折り曲げ式で摘出」する方法が叶わない場合でも,半切で摘出できます.「リスクなくできますか教えて下さい」とのことですが,「リスクフリー」と言い切ることは決してできません.間違いなく挿入よりも摘出の方が難易度は高いです.「チン小帯が少しもろく乱視なので」が本当であればなおさらです.
取り急ぎ.

12/31に眼内レンズ交換の相談したものですが、
手術を受けたのは白内障専門のクリニックで、そこへ相談したら左目のチン小帯が断裂したら、そこでは縫合が出来ないので奨められませんとしか言ってくれません。別の病院にいくのであればカルテ開示しますとの事でした。それでいろいろな所へ相談をしてるところです。
吉野眼科クリニックさんでは3焦点眼内レンズが長方形タイプらしいのですが単焦点眼内レンズに交換してもらえますか。リスクとしては何がありますか
又金額的にはどれくらいかかりますか、保険対応は可能ですか、近々にそちら行けば見てもらえますか。今入っている眼内レンズですがCarl Zeiss社製のプレート型の形状の眼内レンズです。3焦点眼内レンズを単焦点眼内レンズに交換するための診察、検査してもらうために予約したいと思いますがいつ予約したらよいでしょうか

●●●●様:
白内障専門のクリニックで、「チン小帯が断裂したら縫合が出来ない」とは一体どういうことでしょう!?
もしそうであれば,「白内障専門のクリニック」では全くありませんし,仮に自院で手術ができないのであれば,然るべき医療機関を自ら紹介するべきではないでしょうか!「やりっぱなし」の私が最も許せない対応ですね.

挿入したレンズは,「ZEISS AT LISA tri toric 939M preloaded」で素材は「Hydrophilic acrylic (25 %) with hydrophobic surface properties」だと思いますが,手術をした施設がわかればはっきりしますので,「白内障専門のクリニック」ではなく具体的な施設の名前をお知らせください.

当院への受診は,セカンドオピニオン外来になりますので,自費診療(1万円ほど)+¥5000/15分
予約はお電話で,院長に話は通っていると伝えた上でセカンドオピンイオンでお取りください.

また,もしレンズを取り出し単焦点眼内レンズを挿入する場合は,これも自費手術になりますので,手術料金は44万円(税込)となります(お薬代は別).
繰り返しになりますが,一般論として眼内レンズ挿入術自体に「眼内レンズ取り出の可能性」がある以上は,本来であれば,当初の眼内レンズを入れた施設で責任を持って「IOL摘出術+再挿入術」が行われるべきと考えます.
**********************
医療法人社団爽見会
吉野眼科クリニック 吉野健一
〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6階
TEL:03-3839-5092, FAX:03-3832-3730
吉野眼科クリニックURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com
**********************

先日もメールした●●●●です。
私が手術したのは日●橋●内障●リ●ックです。
1/8 15時にそちらに予約しようと思っています。
その時は持っている資料を持っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

●●●●様:
受診日時ですが,セカンドオピニオン外来で経緯等通常以上に詳しくお話聞かなくてはならないので,混み合う午後1番(15:00〜)の診療は予約が取れないかもしれません.
受付にお電話して予定を立てさせていただきます.

吉野院長様

メール見るのが遅くなってすみません。また休日に送って申し訳ありません。大変そうな手術というのはわかりました。水晶体嚢にストレスが強くかかるようなことが術中にわかるのでしょうか。分かる前にやぶれることはないのでしょうか経験のある先生からのメールにやるならIOL縫着前提くらいのつもりじゃないとですかねの言葉にどきっとしています。縫着の確立が高くなったのかなと思いました。もう少し考えさせてください。●●●●

●●●●様:
あれから,「ZEISS AT LISA tri toric 939M preloaded」を取り出した経験のあるドクターを探し意見を聞きました.
そのドクターの症例は術後1年以上経っているので(癒着が強い),●●●●さんには全てが当てはまりませんが,ご参考にご検討してください.
万一,水晶体嚢にストレスが強くかかるようなことが術中見受けましたら,レンズは取り出さずに単焦点レンズは入れず,縫着もせずに手術を中止しようと思います.
手術当日は最善を期して,下記のメールの返事をくれたドクターも手術に入ってもらうよう依頼しています.
手術に先立ち特別な器具も手配中です.

>アクリルレンズだから、普通の白内障のIOLと同じです。プレートの支持部が嚢と強く癒着するので、(●●●●でやったのは1年以上経ってたので)とんでもなく取り出すのたいへんですよ。
>プレートの支持部を全て切って嚢内に残すつもりなら可能かも。●●●●で摘出しましたけど、結局IOL縫着になってしまいました。
>やるならIOL縫着前提ぐらいのつもりじゃないとですかね。

 

*この患者さんは,リスクを考え,また家族の説得もあり一旦再手術を断念しましたが,その後精神的に病んでしまい心療内科を受診するようになり,生きていく気力さえなくなってしまいました.「それなら」ということで家族に伴われて再受診し,最終的に当院にて無事単焦点眼内レンズに入れ換え,無事終了し「生まれ変わった」と大変満足していただきました.本患者さんが挿入した多焦点眼内レンズは当院では採用していないレンズでした.多焦点眼内レンズ術後の見え方の不満による眼内レンズ入れ換えを希望した方は幸いにも当院ではこれまで一人もいらっしゃいませんが,その可能性は少ないながらも常にあるので,多焦点眼内レンズを挿入する術者であれば,そうなった場合の対応も当然視野に入れて手術に携わる責任があります.

この症例で私が許せないのは,先の手術を行った前施設の白内障手術では名の通ったドクターが,患者さんの術後の不満に,「リスクがある」の一点張りで全く対応しなかったことです.術者本人は術後に患者さんの前に現れず,術後経過を診る下のドクターは,「そんなことを言ったら●●先生(術者)の気分を害しますよ」と言ったとのことです.言語道断で話になりません.😡

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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