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ボストンレンズ外来
東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6F



Boston Scleral Lens
解説

通称 ボストンレンズ
強膜レンズは,角膜輪部を超え角膜側より眼球の前方約1/4を覆う大きなレンズです(図中左.直径23mm).レンズ素材はDk値127x10-11と比較的高い酸素透過率をもつちます.レンズ下には涙液(人工涙液)を貯留することが可能なスペースがvaultにより形成され,レンズ下涙液は瞬目や眼球運動にて置換するようフィッティングを調整しなくてはなりません.図中右は通常のハードコンタクトレンズ(直径9.1mm)です.



強膜レンズが適応となる可能性のある疾患


治療・角膜保護目的
屈折矯正目的
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)
Toxic Epidemal necrolysis(TEN)
シェーグレン症候群(SS)
眼類天庖瘡(OCP)
神経麻痺性角膜炎
兎眼性角膜炎
遷延性角膜上皮欠損(PED)
強度の円錐角膜
球状角膜(keratoglobus)
Pellucid Marginal Degeneration
Terrien角膜変性症
角膜移植術後強度屈折異常


円錐角膜の患者さんへ・・・円錐角膜が進行すると,ハードコンタクトレンズが装用できなくなる場合があります。現在では,角膜移植しか視力を回復する手段がありません。しかし,当院が扱う特殊コンタクトレンズは,手術をしなくても良好な視力を期待できます。


ボストンレンズ使用前/使用後 症例スティーブンスジョンソン症候群



重症ドライアイと眼瞼縁の異常の為,角膜の混濁,血管新生の進行により痛みと極端な視力低下(視力0.1)をきたす(写真左)。ボストンレンズ装用一ヶ月で症状の改善,痛みもなくなり,視力も1.0まで回復(写真右)。


強膜レンズとは? また,何故,強膜レンズなのか?

手術を補助する,またはそれに代わる選択肢

 重症型ドライアイを呈すスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS),角膜熱傷,化学傷等に対する手術成績は従来必すしも良好ではなかった.しかし近年,角膜輪部や羊膜移植により視機能の回復が可能となった症例の報告があり注目されている.しかし,そのすべての症例が良好な結果に帰するわけではない.その理由のひとつとして手術は成功したが,術後のオキュラーサーフェスの状態,すなわち涙液の不足や眼瞼の障害(瞼縁の不正・睫毛乱生等)により,再構築されたオキュラーサーフェスが再び術前と同じ経過をたどり元に戻るといったシナリオがある.また,SJS,重症シェーグレン症候群(SS),眼類天庖瘡(OCP)の中には,QOLは非常に低いが手術の適応にはならない症例も多数存在し,患者は絶望感を,眼科医は無力感を抱いているという現実もある.

唯一の視力矯正手段

円錐角膜をその代表とする不正乱視の症例には,現在もハードコンタクトレンズ(HCL)による屈折矯正が第一選択である.しかし,角膜移植術の適応になるほどの末期円錐角膜や,球状角膜,強度の屈折異常を残す角膜移植術後眼への従来のHCLの装着は不可能である.


強膜レンズは,以下に示すその特性から上記2つの問題点を解決する手段として有望である.

1)レンズ下涙液プールによるドライアイの治療(レンズ下液には自己血清を用いることも可能である)
2)障害のある眼瞼(角化した眼瞼や睫毛乱生)からの角膜保護
3)強度不正乱視に対する屈折矯正効果


ボストン強膜レンズの原理

重度円錐角膜患者適応例
(23mmボストン強膜レンズ)
ボストン強膜レンズのフルオレセイン流入と厚い涙液層
ボストン強膜レンズ下の多段階カーブ(=涙液交換可能)

Boston Foundation For Sight 提供資料


強膜レンズの歴史
 

 強膜レンズは,1880年代にガラス細工で製造されたのがその始まりといわれている.しかし,レンズフィッティングの原理や角膜生理への理解が乏しかったため,その普及には至らなかった.1939年にPMMAレンズ素材が登場し,また機械による正確なデザインの再現が可能になり,強膜レンズは再び注目を得た.しかし角膜への酸素供給やレンズ下の涙液交換といった問題から,やはり実用までには至らなかった.涙液交換を目的とした有窓の強膜レンズも登場したが,レンズ下への空気の迷入により乾燥を惹起するなど問題は多く,強膜レンズはCLの世界から消え去るかのように思われた.

 強膜レンズの飛躍的な進歩は酸素透過性レンズ素材の登場と,涙液交換を可能にするレンズデザインとフィッティング技術の確立による.重症ドライアイに対する治療と視機能の改善や,手術でしか改善の望めない円錐角膜をはじめとした強度不正乱視の矯正に対しては手術に代わる,または手術を補助する有力な選択肢としての可能性が期待されている.その一方で,過去の強膜レンズの失敗の歴史を知る多くの眼科医は,強膜レンズの存在そのものを一蹴する傾向にあることも事実で,進歩した強膜レンズへの正しい理解が急務といえる.

以上は,第43回日本コンタクトレンズ学会(2000年6月,山口にて)発表。
2001年2月12日米国CL学会(CLAO)にて招待され講演。

個人的な体験談

院長吉野がこの強膜レンズ(The Boston scleral lens)を知ったのは,自らがSJS患者である小宮さんと知り合ったのがきっかけである.彼は自らThe Boston Foundation for Sight(米国ボストン)のDr. Rosenthal,Dr. Cotterを訪ね,強膜レンズによる治療を受け劇的なオキュラーサーフェスの改善と視力の回復を得ていた.彼の治療前の状態をカルテで知り,その治療効果に感激した院長は,13年来フォローしていたSJS患者を連れてボストンを訪れた.レンズを裝用した瞬間に痛みがとれ視力が回復する瞬間を目の当たりにし,このレンズの将来性を確信した次第である.現在彼女は信じられないことに,風を受け自転車での通勤が可能な程に改善をみている.




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tel 03-3839-5092
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