ブログ相談室

飛蚊症

2007年2月5日

●●様:以下@でお答えします.

Subject: 眼科メール相談、●●様

> お名前 = ●●

> 都道府県 = 愛知

> 主なご住所 =

> email = ●●●●

> 性別 = 女性

> 年代1 = 20代後半

> 内容 =はじめまして。突然のメールで申し訳ありません。ご相談にのっていただきたいことがあり、メールをさせていただきました。お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事をいただけると嬉しいです。私は27才です。今年に入ってから、飛蚊症になりました。検査をしたところ、問題ないとのことでした。それから、見えるものの数が1つから3つに増え、大きさも大きくなった気がしたので、もう1度別の病院へ行き検査をしていただきました。その結果、硝子体の1部が剥がれているので飛蚊症が起こっているとのことでした。これは、もう元に戻ることはないと言われました。そこで、お聞きしたのですが、何かの原因で、現在見えているものが見えない位置に移動することはあるのでしょうか。若い人がなった場合、飛んで見えるものが見えなくなることがあると聞いたのですが、硝子体が剥がれている私のような場合でもあり得るのでしょうか。また、飛蚊症になった原因ですが、加齢によるものではないと思うので、近視によるためかと思ったのですが、両目0.4ですが、これは強度の近視となるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

@起きている状態は「後部硝子体剥離」と呼ばれます.これは決して病的な状態ではなく,生理的な変化です.元来眼球の内部は硝子体といって透明なジェル状の物質で満たされています.それが経時的な変化(加齢)で水分と固体成分が分離し,その結果,分離したその境界の濁りが眼内に浮いて存在するため,目に入った光の影を落とし,それがゴミのように見えるのが飛蚊症です.近視が強いと眼球の軸長は伸びますので,充満していた硝子体はその眼球の内側の壁から剥がれやすくなるため,近視の強い人には飛蚊症が起きやすいといったことになるわけです.●●さんの場合は,高齢でもないし近視もさほど強くないようなので(おそらく軽度の近視),上記の説明に合致しませんが,起きていることは似たようなものだと思います.眼球内壁から硝子体が剥がれる時に,網膜を引っ張り,また網膜に孔が開いたり剥がれたりすると網膜剥離になり,これは放置して手遅れになると失明につながりますので,今後飛蚊症が増加したり,網膜が引っ張られることで自覚する暗所で青白い光を自覚したり(光視症)したら,再び眼科医を受診し眼底検査を受けてください.吉野眼科クリニック 吉野健一

〒110-0005東京都台東区上野1-20-10

風月堂本社ビル6階

TEL:03-3839-5092

FAX:03-3832-3730

レーシックセンターURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com

吉野眼科クリニックURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com

●●様:以下,@でお答えいたします.

お返事ありがとうございました。もう1つお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。今回、剥離した硝子体は、網膜を引っ張ることなく剥がれたわけですが、この剥がれた部分が、再び悪い方へ進行する可能性はあるのでしょうか。

@剥がれた部分はもはや飛蚊症以外の悪さをすることは無いでしょう.むしろ,剥がれた部分と剥がれていない部分の境界面で網膜に牽引がかかりますので,この部で網膜に裂孔ができるということはあるでしょう.牽引がかかると網膜は光を感じます.これが前述の光視症です

また、他の部分の硝子体も剥がれやすい状況になっているのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。

@前述のごとく剥がれた部分と剥がれていない部分の境界面で網膜に牽引がかかりますので,この部が問題になる可能性はあります.とにかく現在とは違う症状が現れたらまずは眼科を受診してください.吉野拝

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〒110-0005 東京都台東区上野1-20-10 風月堂本社ビル6階 TEL 03-3839-5092 医療社団法人 爽見会 吉野眼科クリニック 院長 吉野健一 (日本眼科学会認定眼科専門医)
東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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