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レーシックなど「角膜矯正治療」、技術進み普及 フォロー体制に課題

2012年9月25日

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レーシックなど「角膜矯正治療」、技術進み普及 フォロー体制に課題

2010/7/1 12:00日本経済新聞 電子版

レーザー照射を利用した「レーシック手術」や、特殊なコンタクトレンズを夜間に着用する「オルソケラトロジー」など視力を改善する角膜矯正治療が急速に普及している。レーシックでは10万円を下回る手術料金をうたうクリニックも登場。半面、後遺症のおそれやアフターケアの必要性などの情報提供は十分ではない。専門家からは「利用者側にも医療行為だという認識が薄い」との声も出ている。

「米国では宇宙飛行士や戦闘機のパイロットが受けることが認められている。質の高い角膜矯正が実現する」。米系医療機器会社エイエムオー・ジャパン(東京・港、二之宮義泰社長)は6月17日、レーザーで角膜を精密に切開するレーシック向け機器が厚生労働省の承認を得たと発表した。

 レーシックはレーザーで角膜を削って光の屈折率を変え、視力を矯正する。切開した表面はフラップ(ふた)のように閉じて接着する。眼鏡やコンタクトが不要になり、裸眼で生活できるのがメリットだ。

 従来は激しいスポーツなどに伴う外傷で、フラップが外れる恐れが指摘されていた。今回承認を得た機器は従来の電動メスに比べ、厚みが均一で安定したフラップを作れるという。東京歯科大学水道橋病院(東京・千代田)のビッセン宮島弘子教授は「接着力を高められる」とみる。レーシックの技術は一定の到達点に達したとの見方も多い。

夜間にコンタクト

 夜間に、特殊な形状のコンタクトレンズをつけて寝るだけで視力を矯正できる治療もある。「オルソケラトロジー」と呼ばれる角膜矯正療法は、コンタクトで角膜の中央部を凹レンズ化させて光の屈折率を変え、網膜上に正常な焦点を結ばせる。軽度な近視なら昼間は裸眼で過ごせる。

 ただ、新手の治療法にも課題は残る。聖路加国際病院の山口達夫・眼科部長によると、レーシック手術を受けた患者の15%は裸眼で1.0の視力を得られないとのデータがある。また、レーザー照射で角膜の一部を削るため、一度手術を受けると形状が元に戻らず、手術の成否によっては夜間に光がにじんで見えるなどの後遺症例もある。オルソケラトロジーは矯正効果を得るには、特殊コンタクトの毎晩着用が前提だ。

価格競争の弊害

 レーシック手術では、10万円前後の手術料金をうたう診療所も多いが、こうしたデメリットも含む情報提供は後回しになりがちだ。

 レーシックへの信頼を損ねる出来事も起きた。銀座眼科(東京・中央、閉鎖)での集団角膜炎感染だ。

 昨年1月、川崎市の会社員、鈴木友深さん(31)は視力矯正のために同眼科でレーシック手術を受けた。異変を感じたのはわずか1週間後だった。目に光が入ると激痛が走った。同眼科の元院長は「感染してますね。洗浄して点眼しましょう」と淡々と告げるのみ。

 紹介された総合病院で初めて自分の目をモニターで見ると、白目は真っ赤、黒目も白濁していた。診断は感染性角膜炎。治療のため半年も仕事を休んだ。

 後で調べたが、他の病院では手術前の検査項目は十数項目あったが、銀座眼科では半分程度。鈴木さんは「今でもサングラスは手放せない」と憤る。

 元院長は中央区保健所に対し、手術器具の消毒装置を2006年の開設以来一度も点検しなかったと説明した。元患者らは昨年7月、元院長らに治療費や慰謝料など計約1億3000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴。警視庁も翌8月、同病院の衛生管理に問題があった可能性もあるとして、業務上過失傷害容疑で家宅捜索を行った。

 今年5月には「神奈川クリニック眼科」の経営元、医療法人社団「博美会」が東京地裁に破産を申し立てた。2000年のレーシック手術開始から売り上げを伸ばしたが、09年後半には最盛期の4分の1に。銀座眼科問題以降の患者減が一因という。もっとも、博美会も広告での割引料金期間表示を巡り、公正取引委員会から警告を受けている。

 聖路加国際病院の山口眼科部長は「銀座眼科の集団感染問題以降、レーシック手術を受ける患者の慎重さが増した。レーシックは医療行為でありネイルアートのように手軽に受けられるものではないという自覚を促した形だ」と指摘する。

 博美会の破産手続きに携わる弁護士は「自由診療ということもあり、視力矯正業界全体で価格競争が進み、倫理性が後回しになってしまった面がある。安全、有効な医療として位置付けるには、保険適用の可否などについて国民的議論が必要ではないか」と話した。(新沼大、佐竹実)

<価格よりフォロー体制が重要>

 レーシック手術では、後遺症のおそれのほか、角膜の経年変化で視力が戻るなど再手術が必要な場合もある。角膜矯正治療では目の状態の変化をきめ細かく把握して、問題発生時に適切な治療を提供できるかを見極める必要がある。

 レーシック手術を巡っては、厚生省(現・厚生労働省)が2000年に紫外線の一種「エキシマレーザー」による角膜矯正治療を承認。手術料金は当初、50万円~100万円程度だったが、美容系クリニック参入で価格競争が激化した。低価格化で08年には、年間50万症例にまで達したとの民間データもある。

 ただ、「10万円を下回る低料金の施設に充実したフォローアップを期待するのは難しい例も多い」とみる専門家もいる。井上眼科病院の堀川良高レーシックセンター長は「低料金の施設では、多くの患者の手術をこなせば収益を確保できるが、既に手術を受けた患者の診察は収益につながらず、対応が難しいのではないか」と指摘する。

 ある眼科専門医は「患者が料金に目を奪われ、フォローアップ体制などの情報収集を怠ってきたのは否めない」とみる。

 堀川氏は「エキシマレーザー治療承認から10年たち、フォローアップの必要性が一段と高まった」とみる。患者が医師の専門性の違いなどを見極めるのは難しいが、複数の医療機関を見比べてフォローアップのきめ細かさなどを判断材料にすることも必要なようだ。

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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