目の構造と働き、老眼に対する正しい理解

目の解剖学的構造

眼球の断面図
角膜 (かくまく)
角膜はカメラでいうレンズの役割を果はたす透明な組織です。角膜組織は5層(内皮細胞、デスメ膜、実質細胞、ボーマン膜、上皮細胞)からなっています。
瞳孔 (どうこう)
瞳孔は、黒目の中心に見える黒い部分です。瞳孔は、まぶしい光の中では収縮し、暗いところでは光を多く取り込むために拡大します。
水晶体 (すいしょうたい)
水晶体は、虹彩の後方に位置する透明な組織です。水晶体は、その厚みを変えることによってピントを調整するオートフォーカス機能を備えた第二のレンズです。老眼は水晶体の自動調機能の衰えによって始まります。
硝子体 (しょうしたい)
硝子体は、水晶体と網膜の間を満たす透明なゼリー状の物質です。飛蚊症は、硝子体の混濁が一つの原因です。
網膜 (もうまく)
網膜は、眼球内部の後方を覆っている薄い神経の膜の層です。カメラのフィルムに例えられます。この網膜によって捉えられた像は視神経を通して脳に伝達されます。
  • 正視に見え方
    正視の見え方
    正視は、遠くがよく見える状態です。
  • 近視の見え方
    近視の見え方
    近視は、遠くがぼやけて見える状態です。
  • 乱視の見え方
    乱視の見え方
    乱視は、物がだぶって見える状態です。

角膜の解剖学的構造

角膜の解剖学的構造
角膜上皮細胞(かくまくじょうひさいぼう)
外界からのバリア機能を果たしています。上皮細胞は、ターンオーバーを繰り返しており、約1週間で新しい細胞と入れ替わります。
角膜実質細胞(かくまくじっしつさいぼう)
角膜の厚さのうち約90%を占める細胞層です。上皮のように細胞が新しく入れ替わることはありませんので、実質層が白く濁ると、視力に長期的な影響がでる場合があります。
角膜内皮細胞(かくまくないひさいぼう)
角膜の基底にあり、角膜の水分量を調整するポンフの役割を果たしています。1平方mmメートルあたり約3000個の細胞が一枚のシート状に密集しています、内皮細胞は、酸素不足に弱く、酸素を通さないコンタクトレンズを長期装用している方などに、細胞の減少傾向が見られます。

正視、近視、遠視、乱視についての理解

視力は0.05や1.0という表記が一般的ですが、同時に屈折度数を表す単位(Dジオプタ:レンズの屈折力の単位)を用います。患者さんの正確な屈折度数は視力検査によってお伝えすることができます。

正視

正視正視では、眼鏡やコンタクトレンズなしで、遠くの物をハッキリ見ることができます。近くは、水晶体の自動調節機能によりピントが合います。しかし、40半ばを超え、老眼が進行すると、水晶体の自動調節機能が弱まり、近くにピントが合わなくなり、老眼鏡が必要になります。

近視

近視近視では、近くにピントが合っており、遠くの物はボヤけます。遠くにピントを合わせるには眼鏡やコンタクトレンズを用いるのが一般的です。近視の方は、程度にもよりますが、老眼が進んでも近くの物に比較的ピントが合いやすい状態になります。一般的に、LASIKでは-12Dまでの近視を治すことができます。

遠視

乱視遠視では、網膜よりも後方で光りが焦点を結ぶため、遠くにも近くにもピントが合わない状態になります。幼児期を遠視の状態で過ごすと、脳にシャープな画像が伝わらず、弱視になってしまう場合もあります。一般的に、LASIKでは+5Dまでの遠視を治すことができます。

乱視

乱視乱視では、ラクビーボール状に角膜が歪み、物がダブって見えたり、歪んで見えたりする状態です。乱視が強いと、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは十分な視力が得られない場合があります。十分な視力を出すためには、乱視入りのソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズを用います。一般的に、LASIKでは-5Dまでの乱視を治すことができます。

  • 乱視のない角膜形状
    乱視のない角膜形状
  • 強い乱視のある角膜形状
    強い乱視のある角膜形状

屈折矯正手術を受ける上で、老眼に対する正しい理解(院長自らの体験から)

眼鏡近くのものを見る場合は、水晶体が厚くなることでピントが合います。水晶体の弾力性は、年齢とともに衰え、中高年になると、老眼が始まり手元にピントが合いにくくなります。 よく近視の人は老眼になりにくいと言われますが、これは正しい認識ではありません。老眼は近視の方でも、正視の方でも、40歳半ばを超えると、現れます。但し、近視があると元々近くにピントが合っていますので、老眼を自覚しにくいということです。 すなわち、遠くが見える眼鏡をかければ、近視の人でも老眼になると近くが見づらくなります。

レーシックと老眼

近視の方がレーシックで、遠くを見えるようにすると、近視がある場合よりも、老眼を自覚する時期が早くなります。
ですから。40歳を超えた方が、レーシックを受ける場合、老眼についての認識と配慮が欠かせません。

院長自らの体験から

レーシックに関して、最も多い質問が老眼についてです。30代後半から40代前半の方、また既に老眼が始まっている方がLASIKを考えた時、老眼への配慮は欠かせません。なお、若い方でも、将来の老眼の問題を気にされる場合が少なくありませんので、老眼についてお話しさせて頂きます。

これまで数多くの患者さんにLASIKを行ってきた私ですが、私自身はLASIKを受けていません。眼鏡をかけて過ごしています。テニスを趣味としているので、一時は自分もLASIKを受けようと考えました。しかし老眼年齢を向かえつつある今、私は-3D(ジオプター)という近視なので、眼鏡をはずすと丁度30cmの距離にピントがあいます。

眼科医という職業柄、毎日顕微鏡をのぞきますし、カルテの記載も頻回に行わねばなりません。職業上、特に近用作業が多い方は、近視が少しある方が便利な場合があるのです。

ただ注意して頂きたいのは、全ての近視の方が近用作業に適した距離にピントが合うわけではありません。強度近視の方は、前方20cm、また前方10cmといった焦点距離となります。この場合は手元さえ見えず、近くを見るときに軽い近視用の眼鏡、遠くを見るときにさらにもう一つ、合計2つの眼鏡を使い分けての生活となります。

遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズなどもありますが、なかなか思うような視力が得られず、いくたびも眼鏡やコンタクトを作り替えたという声が少なくありません。いずれにしましても、自分の職業や生活設計を考え、この点は眼科医と十分相談して下さい。最終的に決めるのは御本人です。

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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