ウェーブフロント・レーシック

ウェーブ・フロントレーシック Wave-front LASIK

ウェーブ・フロントレーシックとは、高次収差(個々の眼球がもつ個体差によって生じる光学的なズレ)を検出する波面収差解析技術を屈折矯正手術に応用したものです。これは「天体望遠鏡」にも用いられている高度なテクノロジーです。

レーシックは、これまで近視や乱視といった屈折異常を治す目的で行われていました。しかし、ウェーブ・フロントレーシックの登場によって、「本来の目が持つ物を見る能力を最大限に引き出す」という、より高次のレベルで視力矯正が可能になりました。

2002年、当院がウェーブ・フロントレーシックを導入した当初は、世界的にも新しい技術として、スーパーレーシック、カスタマイズレーシック、オーダーメイドレーシックなど、様々な名称がありました。しかし、今やウェーブフロントレーシックという言葉も定着し、従来のレーシックに比べ、より精度の高い屈折矯正手術として、主流になりつつあります。ウェーブ・フロントレーシックは、現在行われている屈折矯正手術の中で、最も精度の高い技術と言われています。しかし、高度な検査技術と準備に要する「手間」そののため、これを積極的に行っている施設は限られています。

当院が所有するテクノラス217Z 100(パーフェクトビジョン社製)は、視力の質の向上だけでなく、角膜切除量の軽減という第二のメリットもあり、他院でウェーブフロントレーシックが困難と言われた強度の近視や乱視の方も、当院のウェーブ・フロント技術によりレーシックを安全に行うことが可能になるケースもあります。

Wave-front LASIKの優位点「高次収差の軽減」と「角膜切除量の軽減」

光りのにじみ(収差)を最小限に抑えることができます。

従来のLASIKをプラノ・スキャン レーシック(plano-scan LASIK)、波面収差を用いた新方式をウェーブ・フロント レーシック(wave-front LASIK)と呼びます。 手術の手技自体はそう変わりはありませんが、両者の違いは術後の結果に現れます。

図1・図2は各々手術後に一点の光りを見たときに生じる「にじみ」を再現し、感度を通常の10倍にしたものです。つまり「見え方の質」をシミュレートしたものといえます。両者の差はレーザー照射の仕様、つまり削り方にあります。従来のLASIKは「近視」+「乱視」を治すのに対して、ウェーブ・フロントレーシックは「近視」+「乱視」+「個人の個体差(眼球全体を一つの光学系とみた場合のゆがみ:収差)」を検知して削って行きます。このオーダーメードのレーザー照射プログラムにより、術後の光りのにじみが従来のLASIKに比べて少なく「視力の質」の向上が得られるのです。

  • 【図1】
    図1 plano-scan LASIK
  • 【図2】
    図2 wave-front LASIK
従来のレーシックよりも角膜切除量(削る深さ)が10〜20%少ない値で、
同等の矯正効果が得られます。

図3は、近視の度数から、両者の切除量(1.0を得るために必要な切除量)を比較したものです。例えば-8Dの近視群に対する切除量の平均は、従来のレーシックが150ミクロン、ウエーブ・フロントレーシックが120ミクロンであることを表しています。

【図3】
Wave-front LASIKとplano-scan LASIKの比較

これは、従来まで困難とされていた最強度の近視・乱視に手術の適応が広がると伴に、切除量を少なくしてより安全な手術が施行可能なことを意味しています。近視・乱視の強い方、角膜がもともと薄い方には、wave-front LASIKをお勧めします。

※どちらの様式の適応になるかは詳しく検査をしないとお答えできませんし、どちらの適応にもならない患者さんもいらっしゃいます。よほど旧型のレーザー機械を使っていない限り、どのレーザー機械も近視+乱視は治療が可能です。

テクノラス217Z 100
(パーフェクトビジョン社製エキシマレーザー)

患者さん個人個人の微妙な角膜形状変化に対しレーザー切除量を対応させる機能、そして術中に患者さんの微妙な目の動を追尾して照射を行うアクティブ・アイ・トラッカーを備えていますので照射ズレなどの心配はありません。

エキシマレーザー エキシマレーザー

ウェーブフロントレーシック向いている人、適している人

ウェーブフロントレーシックは「従来のレーシック以上の視力の質」を得るための新技術です。加えて、角膜切除量の軽減という効果は、これまで強度の近視・乱視、また角膜が薄といった理由で、残念ながらLASIK手術の適応とならなかった方への適応拡大へとつながりました。また、比較的近視が弱い方でも、収差(夜間の光りのにじみ)を軽減する目的で、ウェーブフロントレーシックを推奨する場合があります。

下記に、ウェーブフロントレーシックを選択する、当院での目安を掲載しました。データには個人差がありますので、あくまで参考程度にとどめて頂き、実際の検査の結果を元に良くご相談した上で判断することをお勧め致します。

ウェーブフロントレーシック選択の目安
  • 近視度数が-4D(ジオプタ)以上の方
  • 乱視度数が-2D(ジオプタ)以上の方
  • 角膜が薄い方(500ミクロンを下回るような方)
  • 瞳孔径が大きい方(暗所6mm以上の方)
  • 夜の車の運転が多い方
  • 夜間の仕事が多い方
  • 職業上より質の高い視力を要求される方
  • もともとの収差が大きい方
最良の結果は、正確な検査データから生まれます。

LASIKの検査は、眼疾患などを調べ適応を見極める大切な行程であると同時に、最良の結果(術後の視力)を得るための手術データを構築する検査も含まれます。特に、Wave-front LASIKは、極めて質の高い視力が得られる一方で、検査には極めて高い精度が要求されます。

Wave-front LASIKの技術を支えているのは、収差解析装置(zywaveアベロメーター)による検査技術です。通常のレーシック検査は2時間程度で終了しますが、収差解析装置による検査を必須とするWave-front LASIKの検査は、3時間以上かることも希ではありません。

波面収差解析装置(zywaveアベロメーター)
波面収差解析装置(zywaveアベロメーター)

1回の撮影で5秒間以上も目を大きく開けっぱなしにしなければならないので、患者さんには大変な負担となります。 しかし、zywaveはエキシマレーザーの照射パターンを決める大切な検査。 手術結果を大きく左右する検査です。 最良のデータが得られるまで、多い方では片眼で6回以上、検査を行う場合もあります。

波面収差解析装置(zywaveアベロメーター)
当院が特に気を使う点

検査を受ける患者さんの姿勢(体勢)です。 いかに精密さを誇る検査機器でも、正しい姿勢が得られなければ威力を発揮できません。

検査の意味を十分に理解して頂き、正しい姿勢がとれるよう、時間をかけてじっくり検査を行っていきます。手術だけでなく、検査に関しても熟練したスタッフに行って欲しいと、遠方から当院へ足を運んでくださる患者さんが大勢います。私たちも、皆様一人一人の検査を受け持つにあたり、ベストを尽くしたいと日々努力しています。

診療時間

午前10:00 ~13:00
午後15:00 ~18:30
※朝の受付は、午前9:30 から

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お受けになる方の受付時間

午前9:30〜12:30
午後14:30〜18:00

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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